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なぜ外壁のコーキングは数年で切れるのか|職人が使う「ボンドブレーカー」と2面接着の話

なぜ外壁のコーキングは数年で切れるのか|職人が使う「ボンドブレーカー」と2面接着の話

「塗装したばかりなのに、もうコーキングにひびが入ってきた」

「同じような家でも、コーキングが長持ちする家とすぐ切れる家があるのはなぜ?」

「見た目は同じなのに、業者によって持ちが違う気がする」

こうした疑問の裏には、実は「完成すると見えなくなる部分の施工」の差が隠れています。

こんにちは。
職人直営の塗装店、縁家(えんや)の職人です。

今回は、コーキング(シーリング)の寿命を大きく左右する「ボンドブレーカー」という材料と、「2面接着」という考え方についてお話しします。

仕上がると見えなくなる部分ですが、ここが施工品質の分かれ道になる、職人にとって大切なポイントです。

そもそもコーキング(シーリング)とは|外壁の目地の役割

外壁材(サイディングなど)のつなぎ目や、窓まわりのすき間に詰められているゴム状の充填材を、コーキング(またはシーリング)と呼びます。

このコーキングには、大きく2つの役割があります。

  • 雨水の浸入を防ぐ(防水)
  • 地震や温度変化による外壁の動きを吸収する(緩衝)

外壁は、日々の温度変化や建物のわずかな動きによって、目に見えないレベルで伸び縮みしています。コーキングは、そのすき間で「動きを吸収するクッション」として働いているのです。

だからこそコーキングは、「ただ詰めればいい」ものではなく、動きに追従できる状態で施工することが大切になります。

コーキングが早く切れる原因|「3面接着」という落とし穴

コーキングが数年で切れてしまう大きな原因のひとつが「3面接着」です。

目地(すき間)は、断面で見ると「左の壁・右の壁・底」の3つの面で囲まれています。ここにコーキングを詰めるとき——

3面接着(切れやすい)

  • 左・右・底の3つの面すべてにコーキングが接着した状態
  • 底までがっちり固定されるため、目地が動いたときにコーキングに逃げ場がない
  • 結果として、数年でひび割れ・破断・剥離が起きやすい

2面接着(長持ちする)

  • 左・右の2つの面だけにコーキングが接着し、底は接着しない状態
  • 底が自由なので、目地の動きに合わせてコーキングが伸び縮みできる
  • 追従性が保たれ、長持ちしやすい

見た目はどちらも同じように仕上がりますが、数年後の持ちに大きな差が出ます。

ボンドブレーカーとは|底面を絶縁して「2面接着」にする材料

「2面接着」を実現するために使うのが、ボンドブレーカーです。

ボンドブレーカーとは、目地の底に貼る絶縁テープのこと。これを底に貼っておくことで、コーキングが底面に接着しなくなり、自然と「左右の2面接着」になります。

似た役割の材料に「バックアップ材」があります。使い分けはこうです。

材料使う場面役割
バックアップ材目地が深いとき底に詰める丸い発泡体。深さの調整と底面の絶縁を兼ねる
ボンドブレーカー目地が浅く、バックアップ材が入らないとき底面だけを絶縁するテープ

どちらも「底に接着させない=2面接着にする」という目的は同じです。目地の深さに応じて、職人が適切な方を選びます。

なぜ2面接着だと長持ちするのか|目地の動きに追従できる

もう一度、コーキングの役割を思い出してください。コーキングは「外壁の動きを吸収するクッション」でした。

2面接着なら、底が固定されていないため、目地が広がったり縮んだりしたときに、コーキング全体が柔軟に伸び縮みできます。動きを逃がせるので、負担が一点に集中せず、長持ちします。

一方、3面接着では底が固定されているため、目地が動くとコーキングの内部に無理な力がかかります。ゴムを一部だけ固定して引っ張るようなもので、弱い部分から切れてしまうのです。

つまり、コーキングを長持ちさせられるかどうかは、「底を接着させないひと手間」をかけるかどうかにかかっています。

打ち替えと増し打ち|正しい施工を見分けるポイント

外壁塗装のときにコーキングを直す方法には、大きく2つあります。

コーキング(シーリング)の打ち増し・打ち替えの違い
  • 打ち替え:既存の古いコーキングを撤去し、新しく打ち直す
  • 増し打ち:既存のコーキングの上から、新しいコーキングを重ねる

基本的には「打ち替え」が推奨されます。打ち替えのときに、ボンドブレーカーやバックアップ材を入れて2面接着で仕上げるのが、正しい施工です。

ただ、コストや手間を省くために、これらを省略して3面接着のまま仕上げられてしまうことがあります。見た目では分からないため、施工中でないと確認が難しい部分でもあります。

だからこそ、コーキングの施工方法(打ち替えか/2面接着にしているか)を、見積もりや打ち合わせの段階で確認しておくと安心です。

見えない部分こそ、職人の仕事が出る

コーキングを打つ前に、ボンドブレーカーの取り付けや下地処理をしっかりと行う塗装職人

ボンドブレーカーも、2面接着も、完成すれば見えなくなる部分です。

だからこそ、ここに手をかけるかどうかで、数年後の外壁の状態が変わってきます。

縁家は、ボンドブレーカーによる2面接着を標準施工にしています

縁家(えんや)では、コーキングの打ち替え工事で、目地の深さに応じてバックアップ材とボンドブレーカーを使い分け、2面接着で仕上げることを標準としています。

特別なオプションではなく、当たり前の工程として、すべての現場で行っています。

職人の考え
見えなくなる部分にこそ、職人の仕事が出る——私たちはそう考えています。

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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