外壁塗装
外壁塗装

「A社は『打ち増し』、B社は『打ち替え』と書いてある」
「同じシーリング工事なのに、なぜ金額が違うの?」
「どちらを選ぶのが正解?」
外壁塗装の相見積もりを取ると、こうした疑問を持たれる方が本当に多くいらっしゃいます。
こんにちは、株式会社縁家(えんや)の職人です。
シーリング(コーキング)工事の「打ち増し」と「打ち替え」は、名前は似ていますが、施工内容も耐久性も全く違います。「どちらでも同じ」ではなく、選ぶ工法によって、10年後の外壁の状態が大きく変わります。
この記事では、打ち増しと打ち替えの違い、どちらを選ぶべきか、そして相見積もり時にどこを見ればいいかを、職人の視点で正直にお伝えします。相見積もりを検討中の方は、契約前の判断材料としてお役立てください。
まずは「シーリング」が何かを、簡単にご説明します。
シーリング(コーキング)とは、外壁と外壁のつなぎ目、窓サッシの周り、換気口の周りなどに充填されているゴム状の素材のことです。
外壁材そのものの防水機能とは別に、「隙間からの雨水侵入を防ぐ」という重要な役割を持っています。
シーリングは紫外線・気温変化・雨風の影響を受け続けるため、一般的な目安として5〜10年で劣化していきます。外壁塗料の耐用年数(目安10〜15年)より早く寿命を迎えるため、外壁塗装のタイミングでシーリングも打ち替えるのが基本です。
「シーリングを直さずに塗装だけしても、数年で雨漏りする」という失敗例が非常に多いのは、このためです。

ここからが本題です。「打ち増し」と「打ち替え」は、名前は似ていますが、施工内容が全く違います。
既存の古いシーリングをそのまま残し、その上から新しいシーリングを重ねて充填する工法です。

打ち増しの特徴
既存の古いシーリングを完全に撤去し、下地を整えた上で、新しいシーリングを充填する工法です。

打ち替えの特徴
職人の本音|多くの場合、打ち替えを選ぶべき
結論からお伝えすると、外壁塗装のタイミングでシーリング工事をするなら、多くの場合「打ち替え」を選ぶべきです。
理由は、既存のシーリングも一緒に寿命を迎えているから。その上から新しいシーリングを重ねても、下の古いシーリングが先に劣化して、上の新しい層まで巻き添えにしてしまいます。
例えるなら、ひび割れた土台の上に新しい家を建てるようなもの。土台がしっかりしていないと、上に何を乗せても崩れます。
ただ、「絶対に打ち替えでないとダメ」ということではありません。以下のケースでは、打ち増しでも構いません。
これほど耐久性が違うのに、「打ち増し」で見積もりを出す業者が少なくないのはなぜでしょうか。職人として正直にお話しします。

打ち替えは、既存のシーリングをカッターで切り取り、目地の底まで綺麗に取り除く作業が必要です。この撤去作業だけで、家1軒分で1〜2日かかることも珍しくありません。
打ち増しは、既存のシーリングをそのまま残せるので、作業時間は打ち替えの半分以下で済みます。工期短縮=業者の利益率アップにつながります。
相見積もりで金額を比較される時代、業者側は「他社より安く見せる」プレッシャーがあります。
打ち替えを打ち増しに変えるだけで、シーリング工事の費用は半分程度に下がります。総額で数万〜10万円の差が出るため、見積もり金額で他社に勝つための手段として使われることがあります。
施工完了直後の見た目では、打ち増しでも打ち替えでも、外壁の仕上がりは同じに見えます。
違いが出るのは5〜7年後。この頃には、施工した業者を覚えていないお客様も多く、「クレームの証拠が残りにくい」という業者側の心理も働きます。
これらの理由は、業者個人の悪意というより、業界の価格競争の中で生まれる自然な選択の結果です。
だからこそ、お客様側から「打ち替えですか?打ち増しですか?」と確認することが、リスク回避の最も確実な方法になります。
では、見積書のどこを見れば、打ち増しか打ち替えかが分かるでしょうか。3つのチェックポイントをお伝えします。
見積書の項目に、明確に「シーリング打ち替え」または「シーリング増し打ち」と書かれているか確認してください。
「シーリング工事一式」だけの記載で、詳細が不明の見積書は、現場で判断される可能性があります。
シーリング工事の相場は、以下が目安です(一般的な相場の参考値です)。
| 工法 | ㎡単価の目安 |
|---|---|
| 打ち増し | 600〜900円/m |
| 打ち替え | 1,000〜1,500円/m |
30坪の一般的な戸建てで、シーリングの総距離は約150〜200m。打ち替えの場合、総額15〜30万円が相場です。極端に安い場合は、打ち増しになっている可能性があります。
シーリング材にも、耐用年数が異なる商品があります。良心的な業者は、以下のような商品名まで明記します。
| 種類 | 耐用年数の目安 |
|---|---|
| 変成シリコン系(オーソドックス) | 7〜10年 |
| ポリウレタン系 | 5〜10年 |
| プレミアム系(オートン イクシード など) | 15〜30年 |
商品名が明記されていない見積書は、現場で安価な商品に変更される可能性があります。
複数の業者から見積もりを取っている方に、業者選定の判断材料として確認していただきたい3つのポイントをお伝えします。

見積書に書かれていなくても、口頭で確認してみてください。誠実な業者は、明確に答えてくれます。
答えを濁す業者や、「大丈夫です」の一言で済ませる業者は、契約後にトラブルになるリスクがあります。
「打ち替え」で統一した条件で、複数社の見積もりを取ってください。同じ条件なら、金額の妥当性が判断しやすくなります。
極端に安い業者は、実は打ち増しにすり替えられていたり、他の工程が省略されている可能性があります。
シーリング撤去中の写真、新しいシーリング充填中の写真など、工程ごとの写真報告があるか確認してください。
写真報告があれば、実際に打ち替え作業が行われた証拠になります。契約前に「シーリング打ち替えの写真もいただけますか?」と一言確認しておくと安心です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
「他社の見積書、打ち増しか打ち替えか確認してほしい」
「同じ条件で見積もりを取り直したい」
「シーリングだけ相談するのもOK?」
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